鈴木繁乃さんはモリンガの魅力を世に広めるプロフェショナル。主な商品はパウダーやお茶、青汁、オイルなど。自社契約農地が沖縄にある。すべて有機JAS認証を受けた農地だ。
モリンガとは、英語で「モリンガ オレイフェラ」、日本語で「ワサビノキ」というワサビノキ科の熱帯・亜熱帯の植物である。原産はインド北西部のヒマラヤ山麓とされる。
種をまいてから1年であっという間に実を結びます。2年で10メートルくらいになるとってもパワーあふれる木なんです
このモリンガが今スーパーフードして世界的に注目を集めているのだ。
本場インドでは伝統医学アーユルヴェーダに欠かせないハーブだそうです。便秘 解消、美肌効果、ダイエット、免疫力アップ、リラックス効果など、300もの病 を防ぐ植物と言われています。
アフリカやフィリピン、インドネシアなどでも、古くから美容、健康のために利用されてきたというからすごい。これほど期待できる植物もそう多くはないでしょう。まさに奇跡の樹ですね
南インドではモリンガの未成熟の種子の鞘をドラムスティックと呼んでスープやカレーに入れて食べる習慣がある。鞘は固いため中身だけをこそいで食べる。
強力な抗酸化物質で、加熱してもビタミンCは残り、ミネラル分が豊富。うだるような暑さと不衛生な環境の中で生き抜くためにとても役立ってくれる植物なのだ。
『モリンガ&モリンガ』の原料はすべて沖縄本島で栽培されたものだ。東京在住の鈴木さんがどうやって沖縄と結びついたのだろうか。
2011年3月の東日本大震災と原発事故を機に娘が沖縄へ移住しました。その時娘は妊娠8か月。胎児は放射線の影響を受けるという話もありましたし、初産ということもあり少しでも精神的ストレスが少ない場所で、という思いもあって。
無事に孫が生まれ、娘が仕事で忙しかった時期に3か月間、私が育児の手伝いに行ってた時のこと。たまたま近くでエコ系のイベントがあるというのでかけて、そこで初めてモリンガを知りました。
とても身体に良いと聞いていたけど、私たちは元々健康だったこともあって、実はその時はあまりピンときませんでした。でも、そんなにいいものなんだったらとお土産に買って帰りました。
それで東京の知人に配ったらこれが大好評すぎて驚き。みんなお通じが良くなったとか、頭痛がおさまったとか、肌がきれいになったとか。もっと欲しい、なんて声がたくさんあって。
さらにハワイに住む娘の上司までもが、ハワイにこんなすごい植物(モリンガ)があるんだけど、とたまたまそんな話になって。いつのまにか自分がモリンガのプロデュースをするようになりました。
いろいろな症状が改善されると聞くとあやしげなのですが(笑)モリンガが病気を治すわけではなく、体の栄養バランスを強力に整えて、その人が本来持っている免疫力や自己治癒力を高めるのだと思います。
モリンガに導かれるようにして事業を立ち上げたのは2013年のこと。娘さんご一家は今でも沖縄県宜野湾市に在住し、生産地と東京をつなぐ窓口役となっている。
沖縄に専属契約をしている農家がいる。場所は西原や宜野座、読谷など本島各地に点在。圃場はすべて農薬や化学肥料を使わず、有機JAS認証を受けている。
沖縄の農家さんは過去に外の人に騙された経験があったりして警戒する方も多いので、農家さんや加工場の方々とのコミュニケーションは、沖縄出身の女性にお願いしています。彼女が丁寧に信頼関係を築いてきてくれたおかげで、今では20か所の農地にまで増えました
本土が温帯なのに対し沖縄は亜熱帯気候。気象庁の1991年〜2020年までのデータによると、最も暑い7月の平均気温は29.1℃で、最も寒い1月の平均は17.3℃である。
よって6月頃から9月頃は気温が高すぎるため多くの野菜は栽培が困難となり、繁忙期は秋から春にかけてとなる。一方、モリンガの生育温度帯は25℃以上。つまりモリンガは沖縄の農閑期となる夏にこそ相応しい作物だということも功を奏している。
実際に収穫できるのは5月から12月頃までの間。冬の販売分は秋のうちに収穫しておく。現在の作付面積は4500坪(約1.5ha)、年間の生産量は生で約20トンだ。
農家たちにより丁寧に摘まれたモリンガはすべて乾燥させて粉砕する。葉の部分はパウダーに。お茶には茎も加える。そのほうが甘みが出るからだ。パウダーは、タブレットや青汁にも使用している。沖縄の有機JAS認定工場にて加工された商品は東京本社に運ばれる。
現在、商品は「自然食品F&F」(関東全29店舗)に卸している。また都内各地のマルシェにて鈴木さん自らが店に立って、人々にその魅力を伝えながら対面販売もしているほか、自社『モリンガ&モリンガ オンラインストア』https://moringa-and-moringa.stores.jpでも販売している。
土日は国連大学前の「青山ファーマーズマーケット」や、たまプラーザの 「TERRACEマルシェ」に。平日は、二子玉川RISEで開催される「ふたこ座」など に出店している。
「元気になれるモリンガさん」と呼ばれて大勢のファンが駆けつける。鈴木さんとモリンガは一心同体。それこそ300の病が逃げていくような、熱くて笑顔いっぱいの元気な方であった。